砂糖は罪深い食べ物?
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砂糖はとても一般的な甘味料なので、甘味料の評価もたいていは砂糖との比較で表されます。
例えば、
・はちみつ 1gあたりのカロリーは砂糖の3/4、甘さは砂糖の1.3倍
・アガベシロップ 1gあたりのカロリーは砂糖の3/4、甘さは砂糖の1.6倍
・ステビア 1gあたりのカロリーはほぼ0、甘さは砂糖の200倍
・アスパルテーム(人工甘味料) カロリーは砂糖と同等、甘さは200倍
などと紹介されていることが多いようです。
しかし、私のYouTubeでもよくお話ししているように、いわゆる「西欧先進国」における砂糖の歴史は意外と長くありません。16世紀以降の大航海時代に熱帯、亜熱帯で収穫されるサトウキビが原料だから、温帯または寒帯に位置するヨーロッパで生えているものではなかったからです。
それ以前の甘味料といえば、はちみつ、果汁、穀物を発酵させたもの(そしてそれをさらに発酵させて酒や酢にする)、一部のハーブだったようです。そしてそれらは安定的に大量生産・販売ができるものではなく、かつて甘いものは贅沢品であったわけです。
しかしサトウキビから作る砂糖は大量生産され、世界に普及しました。その影にはサトウキビ産地である低緯度に住む人々に対する植民地支配があり、現地の奴隷労働によって支えられてきたこと、そして今でも生産国の多くは発展途上国です。
また、健康面においても砂糖の功罪というのが、特に20世紀後半から言われるようになりました。砂糖が普及し、安価に手に入るようになった結果、摂取している我々が健康を害するようになったということです。
大量生産を追求すると、砂糖も塩もどんどん純度が上がってきます。塩分に関係ない微量な物質、甘さに関係ない糖以外の物質をいかに取り除いて純度の高いものを大量に作るか?これは文明が追い求めてきたものです。しかし、純度の高い砂糖や塩だけをとっていると微量成分は失われ、ただ単に血糖値を上げる物質、塩分のみを一気に体に入れることになります。そのことが体のバランスを崩すということが考えられます。GI値などという数値もそういうことのひとつの指標になっているかと思います。
基本的に物不足で、大量生産こそが正義だった時代にはそれが目標だったのですが、その目標が達成された現代ではあらためて精製しすぎた砂糖や塩を摂取することは決して豊かではないということに気づかされたわけですね。
さて、当店で扱っているのは沖縄県の(株)青い海が作っている天糖太陽という砂糖です。原料糖を精製する際にイオン交換膜などを使わず、物理的に篩にかけるなどの作業によって挟雑物を取り除いた砂糖なので「1日分の〜」というレベルではありませんが、上白糖などの白い砂糖に比べて微量成分が高い数値が出ています。カルシウム、リン、鉄、カリウム、マグネシウムなど上白糖ではほぼ0または記載値未満になる成分にしっかりと数値が出ているのが特徴になります。
また、沖縄県または鹿児島県といった国内で栽培されたサトウキビを使用しているので国際的な南北問題とも無縁であるとは言えると思います。