品名:食用ごま油 原材料:食用ごま油 の謎

品名:食用ごま油 原材料:食用ごま油 の謎

現役の食品製造業営業職だった頃からずっと違和感があったことがあります。
私の会社員生活の後半は自社ブランド製品ではなく、取引先の特注品を受注して販売する仕事をしていました。
なので、相手様にはどのような組み立てになっているかを伝えなければいけなかったのですが、
まあいわゆる商品企画書みたいなものを提出して説明することになります。
私自身が直接開発に携わるわけではなく、まあ素人に毛が生えたような知識と技量しかないわけなんで、
社内の開発担当から資料をもらって説明するわけですね。
その時に他者から仕入れた原料を使っている場合は、
その原料を製造している会社さんからやはり規格書をもらってくるわけです。

そして、ある時「ごま油」を使った商品開発の話をいただいて、規格書を見たところ、
もちろん使用しているものは「ごま油」なわけですが、の原材料のところには「食用ごま油」と
書いているわけです。普通、「ごま(ナイジェリア)」とか書いてあると思うじゃないですか。
ごま油の原料が「食用ごま油」って、全然説明になってないじゃないか、と思うわけです。
「いやいやいや、それって加工品でしょ?その元はどうなっているの?」と思うわけです。
なにせ感性はプロのそれよりも、一般消費者に近いわけなのでなにか誤魔化されてるように感じてしまいます。

でもこれ実は法律に基づいた書き方なのだそうで、
「乳等を主要原料とする食品」であれば厚生労働省令、
油であればJAS法に基づく「食用植物油脂品質表示基準」に沿った書き方なんだそうです。
乳製品の方は話が細かくなりすぎてうまく説明できませんので、
構造としてはほぼ同じである油の表示の話をします。

例えば当店で扱っているごま油、新宿の小野田製油所さんの玉締め法一番搾りごま油ですが、
小野田製油所さんはごまを仕入れてご自分のところで焙煎して、油を絞って作っていらっしゃいます。
でも、商品ラベルだと「品名:食用ごま油 原材料:食用ごま油」となっています。
いやいやいや、原材料はごまでしょうが!と突っ込みたくなるのですが、これが法律。
国産100%なたね油も原材料名は食用なたね油(なたね(国産))です。
どちらも自社の工場でごまやなたねを絞っています。

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