沖縄の海水塩「青い海」について
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昨年、YouTubeで塩の話をしています。→ 「007 塩のお話」
この時は私が自分で調べた日本の塩と専売法の話などを喋ったのですが、その後、(株)青い海の社員の方が語っている記事などを何本か読むことができたので、より理解が深まったことについてお話ししたいと思います。
ちょうど今、我々日本人の主食である米の供給が不安定で、スーパーで米が買えないことがニュースになっています。
私も子供だったり物を知らない年頃の記憶でしかないのですが、昔は専売品というものがいろいろありました。塩、酒、タバコなどです。また米の流通についても食糧管理法に基づいて、農家は国に米をすべて供出して消費者は国から配給される米を食べることになっていました。昔は国民全てに米を行き渡らせるためには必要な措置だったんですね。
日本に限らず、主食となる穀物や塩などの生活必需品を国が管理する、というやり方は珍しい制度ではありませんでした。
しかし、高度成長期を経て、米の生産が安定し、一方で海外から市場開放の圧力などもあって現在はほぼ自由化されています。
塩についても1997年までは専売品だったので、目の前に海があっても地元の塩田で塩を自由に作ることは法律で禁止されていました。
青い海さんの複雑なところは、太平洋戦争後から本土復帰した1972年までの間、アメリカの領土だったという歴史があることです。戦後、沖縄では塩田で塩が作られていましたが、本土復帰して日本の法律が適用されるようになると沖縄の塩作りも禁止されていまいました。すると当時の専売公社が販売していた高度に精製され塩化ナトリウム99%以上の塩しか流通しなくなりました。
それは食文化を失うことだという意識から、当時の法律内で独自の塩を作るために青い海は創業され、専売公社が輸入した海外産天日塩に微量ミネラルを加えて以前の塩に近い加工品を販売するところから始まったそうです。
最終的には1997年に塩専売法が廃止され、沖縄の海水(糸満市沖)を使用した海水塩としての「青い海」として販売されており、当店で扱っているのものと同じものになっています。